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お騒がせキーマン
お騒がせキーマン_a0027141_22242087.jpg図書館まで自転車で行き、
この質素な鍵を片手にチャリチャリしながら歩いていました。

文庫本のコーナーで、鼻歌が出そうにボーっとしていたら

・・・・・鍵落下。

真下に落ちたこの鍵は、
地面に跳ね返り見事に本棚の下に入っていきました。
一瞬何が起きたのか、わかるけどわからなかったです。
コソコソしながら一応床に伏せて覗いてみたけど、見えやしない。
「やっば!」と思って司書さんを探して声をかけました。

「あのぉ・・・自転車の鍵を落としちゃって、本棚の下に入っちゃって。。。
 もし長いものさしか何かあったら、貸していただけますか・・・・?」

そこからは私と司書さんの、人生初めての共同作業のはじまりです。

プラスチックのものさしで本棚の下を探ってくれるんだけど、
出てくるのはとにかくホコリばっかり…あとは関係ないヘアピン1本。
「出てくるかなぁ・・・」と不安げな司書さんの発言、私はもっと不安です。
その本棚の反対側も通路で、「あっちから出るかも」と言われ私はそちらに移動。
本棚を挟んで2人で床を覗き込んでいたら、
司書さんが他の利用者さんに呼ばれている声が聞こえたりして。
「ちょっとすみません」と申し訳なさそうに本を探しに行く司書さん、
とんでもない、私はもっと申し訳ないです。

一人で奮闘し始めたら、司書さんはすぐに戻ってきてくれました。
「お忙しいのに・・・すみません」と私は眉毛を下げてみながらも、
なんだろうこの一体感。もう、とても頼もしいパートナーに見えてきた。

そこからは2人並んで、順番にひたすら床を擦り続けることしばらく、
カチャッと金属音が時おり聞こえるようになってきます。
「あっ!」「それらしい音聞こえましたね!」「それっぽいですね!!」
2人を包む雰囲気が一気に盛り上がります。。。。でも出てこない。
何かに引っかかっているようで、ちょっぴり見えているのに出てこない。

「あっ、コレでやってみますか!」
そこで活躍したのがさっきのヘアピンです。誰が落としたのかわからない代物。
鍵についている輪っかに引っ掛けて、司書さんがゆっくり引っ張って、

ゆっくり・・・・ゆっくり・・・・・ゆっくり・・・・出てきたっ!!!

「出ました!」「出ましたねっ!!」
「ありがとうございます!!」「よかったですね!!」

あやうく握手を求めたくなるくらい、そこが図書館だとは思えないくらい、
私たちは一緒に喜びました。大きな声こそ出さなかったものの。

やさしい司書さん、
本当にご迷惑おかけしました。そして心からありがとうございました。
教訓として、これからはキーホルダーをつけるようにしたいと思います。
by remonflower | 2005-10-01 22:57 | 日記


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